「AIを入れましょう、と言うあなたの会社は、実際どこまで使っているんですか」
AI導入のご相談を受けていると、ときどきこう聞かれます。もっともな質問だと思います。勧める側が自分では使っていないなら、その提案は机の上で考えただけのものです。
当社(UMEO CREATE)は、代表の私ひとりで回している会社です。従業員はいません。事務も、資料づくりも、発信も、問い合わせの一次対応も、かなりの部分をAIに渡して動かしています。
この記事では、社内AI活用の実例として、当社がAIに渡している12の仕事と、逆に絶対に渡していない5つのこと、そして渡したせいで実際に壊したもの・間違えたものを、数字と一緒にそのまま書きます。最後に、同じものを御社に入れるときの料金と、向かない方についても正直に書きます。
早朝、出発前の車の運転席でスマートフォンに目を通す男性
この記事の目次(6項目)
社内AI活用の実例。当社がAIに渡している12の仕事
当社のWebサイトには「自社の実践」というページがあり、そこに12の項目を並べています。どれも、私が毎日そのまま使っているものです。5つのまとまりに分けてご紹介します。
毎日の事務(4つ)
| 渡した仕事 | いまの状態 |
|---|
| 商談の準備メモ | 毎朝5時、その日の商談ごとの準備メモがメールの下書きに入っている |
| 日報づくり | 「日報を作って」と頼むと、その日の予定・メール・作成したファイルから下書きができる |
| 請求書・発注書 | 金額の計算からPDFにするところまで。押印が入った状態で出てくる |
| 散らかったファイルの整理 | Googleドライブの一番上に溜まった108個を、中身を見て仕分けし16個に |
いちばん助かっているのは、商談の準備メモです。相手の会社との過去のやりとりと、前回の宿題がまとまった状態で朝には届いています。以前は出発前に自分でメールを掘り返していましたが、いまは目を通すだけです。
日報は「書くもの」から「目を通して直すもの」に変わりました。こちらは毎日勝手に届くのではなく、必要な日に頼んで作らせる運用にしています。
小さな事務所の書類棚の前で、色違いのファイルを一冊ずつ仕分ける女性
ファイル整理の108個から16個は、1つも捨てていません。置き場所を決めて移しただけです。この「捨てない」は、あとで書く「渡さない5つ」の1つでもあります。
案件の管理(1つ)
案件・タスク・発注・連絡先を1か所にまとめた自社用の管理画面があります。この画面のデータをAIが直接読み書きできるようにしてあるので、「あの発注はどうなっている?」と聞けばその場で答えが返ってきます。画面を開いて探す、という動作そのものがなくなりました。
資料づくりと発信(3つ)
- 議事録・提案書・セミナー資料: 打ち合わせの記録から議事録を起こし、提案書やスライドはPDFにするところまで
- 動画とSNS: ナレーションの音声と画像から動画を組み立てる。SNS投稿は下書きまで
- このホームページ: 文章を直してコマンドを1つ実行すると、全ページが作り直される
当社サイトのコラムは、この記事を出す前の時点で64本あります。ひとりの会社が、本業の合間にこの本数を書けているのは、下書きと画像づくりをAIに渡しているからです。
いつも隣にいるAI(2つ)
パソコンの画面の隅には、当社のキャラクター「ウメ」が常駐しています。話しかけると声で答えるので、調べものや作業の相談を、アプリを切り替えずにその場で済ませられます。
もう1つは、LINEで指示を送れるAI秘書です。外出先から送った内容で、調べものや資料の用意を進めてくれます。パソコンを開けない移動中でも、仕事が止まりません。
お客様との接点と、開発そのもの(2つ)
当社サイトの右下にいるチャットボットも「ウメ」です。料金や対応エリアの質問に答えます。知識はサイトのページから自動で作っているので、サイトを直すと、答える内容も一緒に新しくなります。 人が手で書き写す工程をなくしたのは、書き写すたびに古い情報が残るからです。
そして12個目が、開発そのものです。ここに挙げたものは、すべてAIと一緒に作りました。だから「これだけのために外注するのは」とあきらめていた小さな道具にも手が届きます。お客様に納品しているシステムも、同じ進め方で作っています。
AIに渡していない5つのこと。任せる範囲の線引き
机の上で印刷した紙を片手で押さえ、もう片方の手をキーボードの上に置いた手元
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
「AIに仕事を渡している」と聞くと、全部を任せきりにしている姿を想像されるかもしれません。実際は逆で、渡さないものを先に決めてあるから、残りを安心して渡せています。 当社がAIに渡していないのは、次の5つです。
1. 送信ボタンと投稿ボタン
メールは下書きまで。送信ボタンは必ず私が押します。SNSとnoteも同じで、AIが作るのは下書きまでです。一度出したら取り消せないものは、人が実物を見てから出します。
例外が1つあります。自社サイトのコラムです。こちらは、社名や金額などの実データが紛れていないかを調べる公開前の自動チェックを通したうえで、AIが公開まで行っています。公開したあとでも直せるからで、私があとから読んで、違うと思ったところを直しています。この記事も、その流れで出ています。
2. 支払いと、発注の確定
発注書をPDFにするところまではAIがやります。ただし、発注を確定させること、お金を動かすことは、私の仕事です。
3. 削除
ファイルを捨てる判断は渡していません。先ほどのファイル整理でも、AIがやったのは「移す」までで、不要に見えるものは退避用のフォルダに集めるだけにしました。ごみ箱に入れるのは私です。移動は元に戻せますが、削除は戻せないことがあるからです。
4. ログインとパスワード
パスワードの入力や認証は、AIにさせていません。ログインが必要な場面では作業を止めて、私に知らせる決まりにしてあります。
5. 数字と固有名詞を、推測で埋めること
これがいちばん大事かもしれません。お客様に出す文章の中で、実測のない数字を「だいたいこのくらい」と書くこと、確かめていない社名や制度名を書くことを禁じています。分からないときは、埋めずに止まって聞く。そう決めてあります。
AIは、知らないことでも文章としては自然に書けてしまいます。だからこの5つ目だけは、便利さより手間を取っています。
線引きの考え方は「あとで戻せるかどうか」
5つに共通しているのは、やり直しがきかないことです。下書きは何度でも書き直せます。移したファイルは戻せます。しかし、送ってしまったメール、払ってしまったお金、消してしまったファイル、お客様に伝わってしまった間違った数字は、取り返しがつきません。
逆に言うと、戻せる仕事はどんどん渡しています。間違っていたら、直せば済むからです。
AIに仕事を渡して、実際に壊したもの・間違えたもの
良い話だけを並べるのは公平ではないので、失敗も書きます。どれも当社のコラムで個別に詳しく書いたものです。
| 起きたこと | 何が足りなかったか |
|---|
| お客様が毎日使っている業務システムを、同じ日に2回止めた | 「更新のコマンドが成功した」ことを「直った」と思い込み、実際の画面を開いて確かめなかった |
| メールの下書きに添付したPDFが開けなくなった | AIがデータを書き写すときに欠けた。7,975バイトのはずが7,972バイトになっていた |
| 試算表を読ませたら、粗利率を3回とも間違えた | 計算の決まりを渡さず「分析して」とだけ頼んだ。正しくは19.3%のところを、3回とも19.4%と書いた |
| お礼メールの下書きに、メモに無いお詫びが足されていた | 「メモに無いことは足さない」と伝えていなかった。AIは丁寧にしようとして書き足す |
詳しい経緯と防ぎ方は、それぞれの記事にあります。
4つを並べてみると、共通点があります。どれも、できあがったものの見た目は整っていたことです。コマンドは成功と表示され、メールの文面は丁寧で、分析の文章は読みごたえがありました。間違いに気づけたのは、人が実物を開いて、元の資料と見比べたときだけです。上の2つは、その工程を飛ばしたために、お客様や自分の仕事を実際に止めてしまいました。
反対に、見る工程を残していたおかげで助かったこともあります。請求書の下書きを作らせたとき、AIから「先月と内訳が違いますが、合っていますか」と確認が入り、私自身の40万円の請求漏れが見つかりました(→ ひとり社長の事務をAI化!40万円の請求漏れ防止)。AIが私の間違いを拾い、私がAIの間違いを拾う。この往復が成り立っているのは、最後に人が見る場所を残しているからです。
当社がお客様に「送信ボタンはご自身で押してください」とお願いするのは、慎重すぎるからではありません。自分で壊した経験があるからです。
同じ仕組みを御社に入れるときの料金と進め方
地方の会社の打ち合わせ机で、作業着の社長が自分でパソコンを操作し、隣の男性が指をさして教えている
ここまでに書いた仕組みの一部は、AIエージェント導入支援というメニューで、御社のパソコンにそのまま入れることができます。説明会でも集合研修でもなく、御社に伺って、実際の業務を1つ、その場で動くようにしてお持ち帰りいただくハンズオンです。
当日つくれるもの
次の5つの中から1つを選び、御社の業務で仕上げます。すべて、当社が自社で使っている仕組みが元になっています。
- 請求書・見積書の自動生成
- 議事録づくり
- ブログ・SNSの下書きづくり
- 紙や写真の書類のテキスト化
- 毎朝届く商談準備メモ(Google連携の設定が必要です)
半日で2つは作りません。1つを確実に動かしてお持ち帰りいただくほうが、その後も使い続けていただけるからです。どれにするかは、事前のヒアリング(30分)でご一緒に決めます。
料金
| 項目 | 金額 |
|---|
| AIエージェント導入支援(半日から5時間。事前ヒアリングと30日間のサポート込み) | 10万円(税別) |
| その後の伴走支援(任意) | 月5万円から |
| 社内セミナー(初回) | 無料 |
当日つくる環境を動かすには、AIの月額プランのご契約が別に必要です。この費用は上の金額に含まれません。未契約でも、事前ヒアリングで確認してご案内します。
料金は全て一例です。ご予算に合ったプランの提案が可能です。
費用の考え方としては、社長の作業時間を控えめに時給2,000円で計算した場合、月10時間浮けば月2万円ぶんで、5か月で回収できる計算になります。月に何時間かかっているのかが分からない場合は、先に無料の簡易業務診断で数字にするところから始められます。
▼ メニューの詳細
AIエージェント導入支援
▼ 当社が使っているものの一覧
まず自分たちで使っています(自社の実践)
この進め方が向かない方
正直に書きます。次に当てはまる方には、このメニューは合わないかもしれません。
- 確認の工程ごと、すべてAIに任せきりにしたい方。 この記事で書いたとおり、当社の仕組みは「最後は人が見て、ボタンを押す」ことを前提に作っています。そこを省く作り方は、当社ではお勧めしていません
- 一度に全部の業務を変えたい方。 当日つくるのは1つです。当社の12の仕事も、1つずつ足して今の形になりました
- 従業員が多く、組織として進めたい会社。 このメニューは、事務や発信を社長やごく少人数で回している会社にいちばん効きます。組織で進める場合は月額の伴走支援のほうが合うことが多いので、ヒアリングの段階で率直にお伝えします
- 個人事業主・フリーランスの方。 ご自身の手で設定を進めていただくぶん金額を抑えた、個人向けのメニューを別にご用意しています
反対に、「ChatGPTは触ってみたけれど、業務は1つも楽になっていない」という段階の会社には、お役に立てると思います。
まとめ
- UMEO CREATEは、代表ひとりの会社です。事務・案件管理・資料と発信・問い合わせ対応・開発まで、12の仕事をAIに渡して動かしています
- 一方で、送信と投稿、支払いと発注の確定、削除、ログイン、数字と固有名詞の推測の5つは渡していません。線引きの基準は「あとで戻せるかどうか」です
- 渡したせいで壊したもの、間違えたものもあります。業務システムを同じ日に2回、PDFの添付、粗利率の計算。気づけたのは、人が実物を開いて見比べたときだけでした
- 同じ仕組みを御社に入れるAIエージェント導入支援は、半日から5時間で10万円(税別)。1つの業務を、その場で動くようにしてお持ち帰りいただきます。料金は全て一例です。ご予算に合ったプランの提案が可能です
「これ、うちでもできますか?」と気になったものがあれば、そのままお聞かせください。同じ考え方で、御社の仕事に合わせて作ります。
※本文中の写真は、AIで生成したイメージです。当社の実際の画面や人物を写したものではありません。
【群馬・北関東の中小企業・ひとり社長のAI導入をサポート】
UMEO CREATE(ウメオクリエイト)では、群馬県(高崎・前橋・太田・伊勢崎・吉岡町など)を中心に、中小企業や個人事業主・ひとり社長様向けの「AI導入・業務自動化・DX伴走コンサルティング」を行っています。
「自社の業務でもAIを使える?」「何から手をつければいいかわからない」「面倒な事務作業を自動化したい」といったご相談は、お気軽に公式LINEまたはWebサイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。