2026.10.21

AIの定期仕事が朝に止まる原因|確認待ちで5回、最長192分

AI活用自社の実践ひとり社長

AIの定期仕事が朝に止まる原因|確認待ちで5回、最長192分

AIに決まった時刻の仕事を任せると、「ちゃんと動いた」かどうかは見に行けば分かります。分かりにくいのは、動き始めたのに、途中で止まっていたことです。

当社(UMEO CREATE)は、群馬で代表ひとりでやっている会社です。従業員はいません。そのかわり、決まった時刻に動くAIの仕事をいくつも持っています。朝5時に商談の準備メモを作る、朝6時に記事を書いて自社のホームページに載せる、といった仕事です。この記事も、朝の記事を書く係が書いています。

その朝の係が、2026年10月8日から12日までの5日間、5回とも途中で止まっていました。止まっていた時間は、短い日で95分、長い日で192分です。原因は故障でも料金でもなく、「この操作をしてよいですか」という確認待ちでした。

この記事では、何が起きていたか、どう見つけたか、何を直したか、そしてまだ分かっていないことを、記録のとおりに書きます。

この記事の目次(9項目)

AIの仕事が「確認待ち」で止まるとは

AIに作業を任せるとき、当社では「勝手にやってよい操作」と「毎回人に確認する操作」を分けています。ファイルを消す、外にメールを送る、といった取り返しのつかない操作を、AIが黙って実行しないようにするためです。

この仕組みは安全のためには正しく働きます。ただし、人がいない時間に動く仕事では、確認を求めた時点で作業が止まります。返事をする人がいないからです。

しかも止まり方が静かです。エラーの画面が出るわけでも、通知が鳴るわけでもありません。作業は「確認待ち」のまま、人が来るのを待っています。人が来て返事をすると、何事もなかったように続きを始めます。

だから、昼に結果だけを見ると「今朝もちゃんと動いた」ように見えます。実際には、朝6時に始まった仕事が、8時や9時まで止まっていたのにです。

気づいたきっかけ

最初に違和感を言ったのは代表本人でした。10月12日に「いつも手動で止まってるけど、なんで?」と聞かれたのが始まりです。

朝の係には「記事を書いて、ホームページに載せて、SNSの下書きまで作る」という長い作業を任せています。本人の感覚では、朝起きて画面を見ると、毎回どこかで止まって返事を待っている。それが「手動で止まる」の正体でした。

そこで、会話の記録に残っている時刻を1手ずつ並べてみました。AIが道具を使うたびに時刻が残るので、手と手の間が大きく空いている所が、止まっていた所です。

記録を並べて分かったこと

10月8日から12日の5回を並べると、こうなっていました。

  • 5回とも、開始は朝6時台で予定どおり
  • 5回とも、開始から2手目か3手目で止まっている
  • 止まっていた時間は 95分から192分
  • 再開したのは、毎回、本人が来て返事をした時刻

始まってすぐ止まっていたので、実際の作業はほとんど人が来てから進んでいたことになります。「朝のうちに記事が出来ている」という前提は、この5日間は成り立っていませんでした。

なぜ毎回止まったのか

止まった手を1つずつ見ると、共通点がありました。毎回、形の違う命令を打っていたのです。

「勝手にやってよい操作」は、あらかじめ形を登録しておく方式です。登録した形と一字一句同じなら確認なしで通り、少しでも違えば確認を求めます。

ところがAIは、同じ「ファイルの中身を見る」という用事でも、日によって書き方を変えます。ある日は場所を移動してから見る、ある日は名前を先に置いてから見る、という具合です。人間から見れば同じ作業でも、登録した形とは別物として扱われます。

つまり、AIが毎朝ちがう言い回しで同じ用事を頼み、そのたびに「その言い方は登録されていません」で止まっていた、ということです。

「書く」所でも止まっていた

もう1つ分かったのは、調べ物だけでなく、ファイルを書く所にも確認が入っていたことです。登録していた形は「読む」ものが中心で、記事の原稿を保存する、といった「書く」側の登録は1つもありませんでした。

別の係でも同じことが起きています。AIの仕事ぶりを1枚で見る画面を毎日更新する係は、使う命令を2つに絞ったのに、画面のデータを書き込む手前で、10月13日は約10分、14日は約27分止まっていました。

何を直したか

10月12日に、本人の「試せることは試してしまおう」という判断で、2つ直しました。

1. 許可する形を足した

朝の係が実際に使う操作を洗い出し、「確認なしで通してよい形」として23通り追加しました。記事の重複を確かめる、ホームページを組み立てる、公開前の点検をする、決まったフォルダに原稿を書く、といった操作です。

ここで気をつけたのは、何でも通すようにはしなかったことです。消す・送る・お金が動く操作は、これまでどおり毎回確認します。足したのは、記事を作るのに必要で、失敗してもやり直せる操作だけです。

2. AIの打ち方を固定した

もう1つは、AIの側の書き方を決めたことです。朝の係の指示書の冒頭に「この作業はこの形で打つ」という一覧を置き、一字一句その形で打つように書きました。言い回しを変えるから止まるので、言い回しを変えさせない、という直し方です。

読むだけの用事は、命令ではなくファイルを読む専用の道具で済ませる、とも決めました。専用の道具なら、書き方の揺れが起きないからです。

試しに動かした結果

直したあと、試験用の仕事を2本、1回だけ動かしました。

  • 重複の確認・点検・組み立てなどの4種類と、原稿を書く・直す操作は、確認なしで数秒で通った
  • インターネットのページを開く操作は、サイトごとの確認で止まった。ただし5分返事がないと「未送信」になり、作業は先へ進んだ

ページを開く確認は、サイトごと・仕事ごとに出ます。新しいサイトを開く仕事は、一度本人がいる時に動かして通しておくのが早い、と分かりました。

まだ分かっていないこと

ここが一番大事なので、はっきり書きます。

直したあと、朝の記事の係が止まらなくなったかどうかは、まだ確かめ終わっていません。 試験は通りましたが、試験は1回きりで、毎朝の本番とは条件が違います。試しに動かして通っても、人がいない朝に同じように通るとは限らない、ということも、別の係の記録で分かっています。

ほかにも、次のことはまだ分かっていません。

  • 本人が確認画面で「常に許可」を選んだ操作が、次の朝から止まらなくなるか
  • ホームページの公開や、SNSのページを開く操作が、人のいない朝に通るか
  • 作業の途中で止まった時間を、自動で数える方法(いまは会話の記録を人が並べて見ている)

最後の点は、10月18日に書いた「AIの仕事ぶりを1枚で見る画面」でも触れました。あの画面は「始まった時刻」しか見ていないので、始まったあとに止まった時間は映りません。点が緑でも、途中で2時間止まっていたかもしれない、ということです。

AIに仕事を任せるときに、先に決めておくこと

今回のことから、AIに決まった時刻の仕事を任せる前に、3つ決めておくとよいと考えています。

1. 人がいない時間に動かすかどうか。 動かすなら、確認が出たら止まる、という前提で設計する
2. 何を確認なしで通すか。 消す・送る・お金が動く操作は通さない。やり直せる操作だけを通す
3. 止まったことに、どう気づくか。 結果だけを見ると、途中で止まっていたことは分からない。開始の時刻と、終わった時刻の両方を見る

確認の仕組みそのものを外してしまえば、止まらなくはなります。でもそれは、AIが黙って何でもできる状態を作ることです。当社はそちらは選ばず、止まる所を減らしながら、止まる仕組みは残すことにしました。

料金と、ご相談いただける形

今回の見直しは、当社が自分の仕事のためにやったものです。「止まる原因を調べる」こと自体を商品として販売してはおらず、料金表にも載っていません。

AIに決まった仕事を任せる仕組みそのものは、「AIエージェント導入支援」としてお手伝いしています。御社のパソコンにAIが働く環境をつくり、実際の業務を1つ、その場で動くようにして持ち帰っていただく半日のハンズオンで、10万円(税別)です。料金は全て一例で、ご予算に合わせたプランのご提案も可能です。

「何を確認なしで通し、何を毎回人が確かめるか」の線引きについても、ご相談ください。今回のように、止まる所と止めるべき所を分けておかないと、AIは「止まりすぎる」か「止まらなすぎる」かのどちらかになるからです。

▼ AIエージェント導入支援の詳しい内容
https://www.umeocreate.com/agent.html

この話が向かない場合

次に当てはまる場合は、今回のような見直しはまだ要らないと思います。

  • AIを、人が画面の前にいる時にだけ使っている場合。 確認が出てもその場で返事ができるので、止まって困ることはほとんどありません
  • AIに任せている決まった仕事が1つか2つの場合。 止まっていても、朝に1回見れば気づけます
  • 「確認なしで何でも動く」状態にしたい場合。 当社は自社でも、消す・送る・支払うといった操作は確認なしで通していません。考え方が合わないと思います

まとめ

  • 朝6時に動くAIの記事係が、10月8日から12日の5回とも、開始2手目か3手目で95分から192分止まっていました
  • 原因は、AIが毎回ちがう形の命令を打ち、そのたびに「登録されていない操作」として確認待ちになっていたことです
  • 10月12日に、確認なしで通す形を23通り足し、AIの打ち方を一字一句固定しました。消す・送る・支払う操作は、これまでどおり毎回確認します
  • 試験は通りましたが、人のいない朝に止まらなくなったかは、まだ確かめている途中です
  • 結果だけを見ると、途中で止まっていたことは分かりません。開始と終わりの両方の時刻を見ることが大事です

当社がAIに渡している仕事の一覧は、次のページにまとめています。

▼ 当社が使っているものの一覧
まず自分たちで使っています(自社の実践)

▼ AIの仕事ぶりを1枚で見る画面の話(前回の記事)
AIに任せた仕事の見える化|10係・323回を1枚の画面で確かめる


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