うちの会社には、青くてまるいのが1匹います。
名前は「ウメ」。頭にピンクの梅の花が咲いていて、ほっぺもちょっとピンクです。ホームページの右下にいて、「質問する」を押すと出てきます。パソコンの中にも住んでいて、こちらは声で返事をします。
で、作ってみて何がいちばん大変だったと思いますか。
プログラムじゃないんです。名前と、見た目と、しゃべり方と、置き場所。この4つで延々と悩みました。 技術のところは正直あっさり終わったのに、そのあとがながかった。
というわけで今日は、できるまでの舞台裏をそのまま書きます。ちょっと恥ずかしい失敗も含めて。社内のAIに名前をつけてみたい方、ホームページに案内役を置いてみたい方の参考になれば嬉しいです。
🌸 名前はひねらなかった。というか、ひねらないほうがいい
うちは UMEO CREATE なので、UMEO の「ウメ」。それだけです。ついでに梅の花を頭に咲かせました。
はい、そのまますぎますよね。かっこいい横文字の名前だって、考えようと思えばいくらでも考えられます。
でも今は、ひねらなくて正解だったと思っています。理由は、名前ってこれから何百回も口に出すことになるからです。
「なんでその名前なの」と聞かれたときに、説明に3分かかる名前だと、だんだん誰も呼ばなくなります。逆に「社名から取っただけです」で終わる名前は、聞くほうもすぐ覚えるので、勝手に定着していきます。
社内のAIに名前をつけるなら、社名か、事業に関係あるものから。ひねらなくて大丈夫です。
🎨 描かせるたびに、びみょうに違う子が出てくる
ここがいちばん手こずりました。
AIに「こういうキャラを描いて」とお願いして、何枚か作ってもらいます。並べてみると、全部びみょうに違う子なんです。体つきが毎回変わる。花の位置もずれる。
兄弟に見えるんですよ。しかもあまり似ていない兄弟。
原因は単純で、毎回ゼロから描かせていたからでした。人間の絵描きさんだって、口で説明されただけで前とまったく同じ絵は描けませんよね。同じことです。
解決したのは、順番を変えたときでした。
- まず たった1枚の「これが正解」という絵を作りきる(うちは色まで文書に書き出しました。青のグラデの番号とか、ほっぺのピンクの濃さとか)
- 次に、その正解と「実際にいちばんうまく出た1枚」の2枚を見本として渡して、続きを描いてもらう
コツは2枚渡すところです。正解の絵だけを渡すと、なぜか体つきがぶれるんです。「お手本」と「うまくいった実例」の両方を見せると、ぴたっと揃うようになりました。今はサイトに7枚並んでいますが、ちゃんと同じ子に見えます。
あと1つだけ。絵の中に文字やロゴを描かせないこと。 AIが描く日本語、けっこうな確率でくずれます。文字はあとから自分で乗せたほうが速いです。
💬 タメ口のまま外に出すわけにはいかない
パソコンの中のウメには、気楽に話しかけたかったのでタメ口をしゃべらせています。「おっす、ウメだよ!なんか手伝おっか?」みたいな感じです。かわいいんですよこれが。
で、途中で気づきました。このノリのまま、初めて来たお客様に返されたらどうなるんだ。
想像したらぞっとしました。かといって、自分専用の相棒がずっと敬語なのも、なんだか他人行儀です。
なので、割り切って2人ぶんのしゃべり方を用意しました。
- ホームページのウメ(相手は初めて来た方)… ていねいな敬語。2文から4文くらいで、簡潔に
- パソコンの中のウメ(相手は私)… タメ口。私を名前で呼ぶ。長さの制限なし
同じ子だけど、外に出るときはちゃんとした服に着替える。そう考えたらすっきりしました。
これ、キャラを作らない会社でも使える話です。ふだんお使いのAIでも、「お客様に出す文章を作るとき」と「自分用のメモを作るとき」で、指示の書き出しを分けておくだけで、出てくる文章がぐっと使いやすくなります。
📍 かわいく描けたので全ページに置きたくなった。我慢した
絵が揃った瞬間、テンションが上がりました。かわいい。全部のページに置きたい。
置きませんでした。3か所だけにしました。
- お問い合わせフォームの、すぐ手前
- トップページで「お困りごと」を並べたところの締め
- 右下の、質問できるボタンのところ
共通しているのは、読む人がちょっと身構える場所なんですよね。フォームの前って「これ書いたら営業電話かかってくるのかな」って手が止まるところじゃないですか。悩みが並んだ直後も「うちも当てはまるけど、相談していいのかな」と思うところです。そこにだけ置きました。
逆に、導入事例と実績と会社概要には、1枚も置きませんでした。 お客様の社名と、減らせた作業時間を実名で載せているページです。ここにマスコットが入ると、なんというか、軽くなっちゃうんです。
かわいさが邪魔になる場所がある。これは作ってみるまで分かりませんでした。
🎁 おまけ:どうでもいいけどこだわったところ
聞かれてもいないのに書きます。はじめの2つは、いまこのページの右下にいるウメが実際にやっています。 よかったら見てみてください。
- ふわふわ上下に浮きます。 3.4秒でひと往復。速すぎると落ち着かなくて、遅いと死んでるように見えるので、けっこう調整しました
- まばたきします。 6秒に1回。これがないと、じっと見られている感じになるんです。ちなみに、動きを減らす設定をパソコンやスマホで有効にしている方には、どちらもぴたっと止まるようにしてあります
- こちらはパソコンの中のウメだけの話ですが、45分黙っていると、自分から話しかけてきます。 ただし夜9時から朝8時までは静かにしています。夜中に急にしゃべられたら怖いので
正直、ここは仕事とまったく関係ありません。でも、こういうところが「うちの子」感を出すんだと思っています。
✅ 実は、いちばん最初に決めたのは別のこと
ここまで4つ書きましたが、白状すると、この4つより先に決めたことがあります。 「やらせないこと」のリストです。
たとえば、お金や期間にかかわる話は、ウメではなく私が直接お答えするようにしています。助成金も「対象になる場合があります」というところまで。分からないことは、無理につながず「そこはお答えできません」と言ってもらっています。
言い方を変えると、ウメの守備範囲をせまく決めたということです。せまいぶん、その中で答えたことは信用してもらえます。
先にこれを決めておいたおかげで、名前も見た目も口調も、迷わず決められました。くわしくは別の記事に書きました。
▼AIに任せる前に「やらせないこと」を6つ決める
https://www.umeocreate.com/blog/ai-limits-first.html
😊 作ってみて、いちばん良かったこと
問い合わせがどっと増えました、という話ではありません。置いてまだ日が浅いので、そこは正直に書いておきます。
良かったのは、AIの話を人にしやすくなったことでした。
お客様から「UMEOさんのところではどう使ってるんですか」と聞かれることがあります。以前は、これにうまく答えられませんでした。使っていないからではありません。議事録も日報も請求書も資料づくりも全部やっているので、どこから話せばいいのか分からなかったんです。
それが今は「うちにはウメというのがおりまして」から始められます。名前と姿があるだけで、話の入り口ができる。名前は見た目のためにつけたつもりでしたが、実際は説明のためでした。
もしAIを入れてみたけど、なんとなく浸透しないなと感じておられるなら、まず呼び名をつけてみるのはおすすめです。絵まで用意しなくても大丈夫。呼び名があるだけで、人と話題にしやすくなります。
みなさんの会社のAIには、名前がありますか。つけるとしたら何にしますか。