「これ、どうやるんでしたっけ?」
新しく入ったスタッフや、久しぶりに担当が変わった業務でこう聞かれたとき、口頭で説明しながら「マニュアル、作らなきゃな」と思ったことはありませんか。でも実際には、日々の仕事に追われて手が回らず、結局また口頭説明に頼ってしまう。そんな会社、実はとても多いです。
マニュアルがないのは、サボっているからではありません。「頭の中には手順が全部入っているのに、それを文章に起こす時間がない」だけなんです。今日は、その「頭の中にあるもの」をAIと一緒に、まる1日で形にする方法を紹介します。
まずは「話すだけ」で下書きを作ってもらう
いきなり文章を書こうとすると手が止まりますが、人に説明するようにしゃべるのは誰でもできます。スマホの録音アプリで、いつもの手順を口頭で説明している音声を録ってみましょう。
こんな時に便利です。
新人に「ここはこうやってね」と教えながら、その様子をこっそり録音しておく。教え終わった頃には、マニュアルの材料もできあがっています。
話しかけ例文
「この音声は、業務の手順を口頭で説明したものです。文字起こしをした上で、手順を1、2、3と番号を振った箇条書きの形に整理してください。話し言葉はそのままでよいので、抜けている手順があれば『ここが曖昧です』と指摘してください」
AIに「曖昧な部分を指摘して」と頼んでおくのがポイントです。自分では当たり前すぎて省略してしまう手順を、客観的に拾い出してもらえます。
「初めての人」の目線でツッコミを入れてもらう
手順の下書きができたら、今度はその業務を一度もやったことがない人になりきってもらい、読んでチェックしてもらいましょう。
こんな時に便利です。
自分では完璧なつもりのマニュアルでも、書いた本人には「わかって当然」の前提が抜け落ちがちです。第三者の目線を借りることで、実際に配るまでの手戻りを減らせます。
話しかけ例文
「あなたはこの会社に入社したばかりの新人です。このマニュアルを読んで、実際に作業しようとしたときにつまずきそうな箇所、意味がわからない専門用語、順番が前後してわかりにくい箇所を指摘してください」
出てきた指摘の中には「そこまで書かなくても」と思うものもあるはずですが、それこそが暗黙知の正体です。取捨選択は自分で行いつつ、素直に反映してみましょう。
例外対応やトラブル時の対応もセットで残す
マニュアルが形骸化する一番の原因は、「いつもと違うことが起きたときにどうするか」が書かれていないことです。イレギュラー対応こそ、実は一番聞かれる部分ですよね。
こんな時に便利です。
「普段は問題ないけど、たまにこのケースだけ困る」という場面を思い出しながら、それぞれの対処法をAIに整理してもらうと、マニュアルの厚みがぐっと増します。
話しかけ例文
「この業務で、これまでに困ったイレギュラーな出来事を3つ話します。それぞれの状況と、実際にどう対応したかを、マニュアルの『よくあるトラブルと対処法』という項目としてまとめてください」
まとめ
マニュアルは、最初から完璧なものを一人で書き上げようとすると、いつまでも着手できません。「話す→AIに整理してもらう→新人目線でツッコミを入れてもらう→例外対応を足す」という順番なら、丸1日、しかも隙間時間の積み重ねだけで最初の1本が仕上がります。
完成後は紙やPDFで配って終わりにせず、実際に使ってもらいながら少しずつ育てていくのがコツです。皆さんの会社では、どんな業務のマニュアルが一番欲しいですか。