2026.09.15

群馬でAI活用を無料相談できる公的窓口4つと使い分け

AI活用群馬経営相談

群馬でAI活用を無料相談できる公的窓口4つと使い分け

「AIを仕事に使ってみたい。でも、いきなり業者に頼むのは不安だし、誰に聞けばいいのかも分からない」

群馬県内の経営者の方とお話ししていると、この声をよく聞きます。とくに多いのが「無料で聞けるところは無いの?」というご質問です。

結論から言うと、あります。しかも群馬県内には、国や県、商工団体が用意している無料の相談窓口が複数あります。ただ、名前が似ていたり、制度が年度で変わったりするので、「どこに何を聞けばいいのか」が非常に分かりにくくなっています。

実は私自身、今年の8月にこれらの窓口を一つずつ公式サイトで調べ直しました。そこで気づいたのは、ネット上の解説記事の多くが、すでに終わった制度のままなっていることです。

この記事では、2026年9月15日時点で公式サイトから確認できた情報だけを使って、群馬の会社がAIやデジタル化を無料で相談できる公的窓口を4つに整理し、使い分け方をお伝えします。民間でAI導入の支援をしている立場から、公的窓口が向いている相談と、向いていない相談正直に書きます。

群馬の郊外、夕暮れの町工場の前で建物を見上げる社長の後ろ姿
群馬の郊外、夕暮れの町工場の前で建物を見上げる社長の後ろ姿

まず知っておきたい、群馬の公的相談窓口の全体

最初に、全体を一枚の表にまとめます。細かい話はこのあと一つずつ説明します。

窓口運営費用こんなときに
群馬県よろず支援拠点国が設置(群馬県産業支援機構内)無料何から聞けばいいか分からない。まず話を整理したい
商工会議所の専門家派遣前橋・高崎など各地の商工会議所原則無料自社に専門家に来てもらい、具体的なテーマを相談したい
商工会のエキスパートバンク群馬県商工会連合会最寄りの商工会に確認商工会の地区の事業者で、専門家に来てほしい
情報セキュリティ専門家派遣診断群馬県産業支援機構無料AIを入れる前に、社内の情報管理の穴を見てほしい

ポイントは、「話を聞いてもらう窓口」と「専門家が会社に来てくれる窓口」の2種類があることです。

とえるなら、よろず支援拠点は「総合病院の総合受付」、専門家派遣は「専門医の往診」に近いイメージです。何科に行けばいいか分からないうちは総合受付へ。困りごとがはっきりしたら専門医に来てもらう。この順番で考えると迷いにくくなります。

「中小企業119」はもう使えません

調べていて一番注意が必要だと感じたのが、国の専門家派遣事業「中小企業119」です。

小企業庁が行っていた無料の専門家派遣で、今でも「無料で専門家を呼べる制度」として紹介している記事が多く見つかります。ところが、この事業は2024年3月末で終了しています(最後の派遣は2024年2月まで)。公式サイトも、現在はつながりません。

「ネットで見た制度に申し込もうとしたら、もう無かった」というのは、補助金や助成金でもよく起きることです。制度の話は、必ず運営元の公式サイトで今年度の記載を確認するこれだけは覚えておいてください。

何から聞けばいいか分からないなら「群馬県よろず支援拠点」

AIに限らず、経営のことで最初に相談するなら、群馬県よろず支援拠点いちばん入りやすい窓口です。

よろず支援拠点は、国が各都道府県に設置している無料の経営相談所です。群馬県では公益財団法人群馬県産業支援機構の中に置かれています。公式サイトでは「無料の何度でも使える経営相談所」とうたわれています。

群馬のよろず支援拠点で確認できたこと

  • 相談料は無料
  • 本部は前橋市亀里町の群馬産業技術センター1階
  • 太田市本町にはおおたブランチ(ものづくりイノベーションセンター2階)がある
  • 高崎には「高崎サロン」という相談の場もある
  • 予約は原則1ヶ月先まで、次回1回のみいう運用

そして、ここが今回いちばんお伝えしたかった点です。群馬のよろず支援拠点では、「AI活用の相談日」という個別相談会開かれています。公式サイトには2026年10月9日(金)の開催予定が掲載されていました。

さらに、令和8年4月からは拠点の中に生産性向上支援センター設置され、「業務の見える化、省力化、デジタル活用」の支援を行うと案内されています。

つまり群馬では、AIやデジタル化の相談が、公的窓口の正式なメニューとしてすでに用意されているいうことです。これは意外と知られていません。

相談室のテーブルで、白紙の紙を前に経営者と相談員が話し合う手元
相談室のテーブルで、白紙の紙を前に経営者と相談員が話し合う手元

よろず支援拠点に向いている相談

よろず支援拠点が得意なのは、課題の整理です。

  • 人手が足りない。どの仕事から楽にすべきか一緒に考えてほしい
  • AIという言葉は聞くが、うちの会社に関係あるのか知りたい
  • 補助金を使ってデジタル化したいが、何が対象になるのか分からない

こうした「モヤモヤしているけれど、言葉にできていない」段階の相談ほど、無料窓口の価値が高くなります。

具体的なテーマがあるなら「商工会議所・商工会の専門家派遣」

困りごとがある程度はっきりしている場合は、専門家に会社まで来てもらう制度使えます。群馬では、地域によって窓口が2つに分かれています。

商工会議所の地区なら「専門家派遣事業」

前橋や高崎などの商工会議所では、「専門家派遣事業」という名前で制度が案内されています。

前橋商工会議所公式サイトでは、次のように案内されています。

  • 費用は原則無料(相談内容によっては実費負担あり)
  • 同一テーマで年間3回まで派遣可能
  • 税理士、弁護士、弁理士、中小企業診断士、社会保険労務士に加えて、IT専門家との連携も明記

高崎商工会議所公式サイトでは、経営相談は「全て無料」で、中小企業診断士や弁護士、税理士、社労士などの専門家に相談できると案内されています。

IT専門家の扱いや対象となる事業者の条件、回数は、商工会議所ごとに書き方が違います会員かどうかで条件が変わることもあるので、申し込む前に地元の商工会議所へ電話で確認するのが確実です。

ちなみに高崎商工会議所では、11月6日(金)に会計事務所主催のAIセミナーが予定されており、私が講師を務めます。商工会議所は、こうしたセミナーの会場としても地域の事業者とAIをつなぐ場所になっています。

商工会の地区なら「エキスパートバンク」

町村部など商工会の地区の事業者は、群馬県商工会連合会の「エキスパートバンク(専門家派遣)」窓口です。

公式サイトでは「ご相談内容に応じて、商工会連合会で選定したエキスパートが直接事業所にお伺いする制度」と説明されています。専門分野の中には、「情報関係:情報機器の導入・ソフトウェア・情報活用・ネットワークシステム」いう区分があり、ITの分野から専門家を探すこともできます。

費用や回数はページに明記されておらず、申込は最寄りの商工会か商工会連合会への問い合わせいう案内です。まずは地元の商工会の経営指導員さんに「ITやAIの相談で専門家に来てもらえますか」と聞いてみてください。

町工場の中で、工場主が機械を指さしながら外部の専門家に現場を説明している様子
町工場の中で、工場主が機械を指さしながら外部の専門家に現場を説明している様子

AIを入れる前に「群馬県産業支援機構の情報セキュリティ診断」

4つ目は、少し毛色の違う窓口です。

先日、群馬県庁の「AI部」という集まりに参加した際、いちばん時間が割かれた話題がセキュリティでした。「AIに社内の情報を入れて、外に漏れたらどうするのか」という不安です。この話はAIの情報漏洩対策の記事詳しく書きました。

この不安に対して使える公的な制度が、群馬県産業支援機構の「情報セキュリティ専門家派遣診断」です。令和8年度スマートファクトリー創出支援事業の一つとして案内されています。

  • 対象は、情報セキュリティに課題を抱える県内の中小企業等
  • 専門家が会社を訪問し、ヒアリングと現場確認(2時間程度)
  • 後日、セキュリティの状態をまとめた報告書をもとに、診断結果のフィードバック(2時間程度)
  • 費用は無料
  • 申込は、群馬県産業支援機構の工業支援課へ連絡すると、所定の申込書が届く流れ

AIの話とセキュリティの話は、別々に考えられがちです。でも実際には、「どの情報をAIに入れてよいか」を決めるには、そもそも社内のどこにどんな情報があるかを把握している必要がありますAIを本格的に使う前にこの診断を受けておくと、あとの判断がとても楽になります。

無料相談を空振りにしないための準備3つ

せっかく無料で相談できても、「何となく話して終わった」では時間がもったいないですよね。私が普段、初回のご相談で最初にお聞きしていることを、そのまま準備リストにしました。

1. 困っている業務を「時間」で書き出す

「事務が大変」ではなく、「毎月の請求書づくりに社長が2日かかっている」のように、業務の名前とかかっている時間をセットで書いておきます。

AIで何ができるかは、道具から考えるより、時間を食っている仕事から逆算したほうが圧倒的に早く答えが出ます。

2. いま使っている道具を並べる

パソコンのメール、表計算、会計ソフト、LINE、紙の台帳など、いま実際に使っているものメモしておきます。

すでに会社でGoogle WorkspaceやMicrosoft 365を契約しているなら、その中のAI機能から始められることが多く、新しく何かを買わずに済む場合があります。

3. 「絶対に外に出せない情報」を先に決めておく

顧客の個人情報、図面、原価など、AIに入れたくない情報先に書き出しておきます。

これがあるだけで、相談を受ける側は「その情報に触れずにできる方法」から提案できます。前の章の情報セキュリティ診断とも、そのままつながる準備です。

夜のダイニングテーブルで、夫婦がメモ用紙に困りごとを書き出している様子
夜のダイニングテーブルで、夫婦がメモ用紙に困りごとを書き出している様子

正直に書く、公的窓口が向いていない相談

最後に、民間でAI導入の支援をしている立場から、正直にお伝えしておきます。

公的窓口は、向を決めるための相談にはとても向いています。一方で、次のような相談には向いていません。

  • 実際に仕組みを作ってほしい相談窓口は助言が中心で、ツールの構築や設定作業までは基本的に行いません
  • 毎週のように伴走してほしい専門家派遣は「同一テーマで年3回まで」のように回数に上限がある制度が多く、定着するまで付き添う形にはなりにくいです
  • AIに詳しい人に必ず当たりたい派遣される専門家は、中小企業診断士や税理士など広い分野の方です。AIの実務に詳しい方に当たるかどうかは、そのときの状況によります
  • すぐに話を進めたいよろず支援拠点の予約は「次回1回のみ」の運用なので、何度も続けて相談するには間が空きます

ですので、おすすめの順番はこうです。

1. 公的窓口で、何を解決したいかを無料で整理する
2. やることが決まったら、実際に作って現場で使える状態にしてくれる相手探す

2番目の段階で「一緒に手を動かしてくれる相手」が必要になったら、民間の出番です。UMEO CREATEのAI導入支援のページに、どんなことをしているかをまとめています。公的窓口で整理したメモをそのまま持ってきていただければ、続きから始められます。

まとめ:群馬の会社は、まず無料の窓口から

  • 群馬には、AIやデジタル化を無料で相談できる公的窓口複数ある
  • 何から聞けばいいか分からないなら、群馬県よろず支援拠点「AI活用の相談日」もある
  • テーマが決まっているなら、商工会議所の専門家派遣商工会のエキスパートバンク
  • AIを入れる前の情報管理の不安には、群馬県産業支援機構の情報セキュリティ専門家派遣診断(無料)
  • 国の「中小企業119」は2024年3月で終了ネットの古い記事に注意
  • 相談の前に、困っている業務と時間/使っている道具/外に出せない情報3つを書き出す
  • 公的窓口は「方向を決める」場所。作って定着させる段階は、民間の支援と組み合わせる

制度は年度ごとに変わります。この記事の内容も、申し込む前には必ず各窓口の公式サイトか電話で確認してください。

出典(2026年9月15日時点)


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