「AI研修、うちでもやったほうがいいのは分かっています。ただ、いくら掛かるんですか」
群馬県内でご相談をいただくとき、研修の話になると必ずこの質問が来ます。当然だと思います。そして、ここで多くの会社が困ることになります。インターネットで「AI研修 費用」と検索しても、金額が書いていないのです。
かわりに並ぶのは「最大75%助成」「実質10万円から」という表示です。金額そのものではなく、割引後の数字が先に出てきます。これを見た社長さんが「じゃあ、もとの値段はいくらなんだ」と思うのは、ごく自然なことです。
そこでこの記事では、順番を逆にします。先に当社のAI研修の費用を書き、そのあとで助成金の話をします。 そして、助成金を当てにして研修を決める前に確認しておいたほうがいい3点を、国の資料を示しながらお伝えします。
会議室で複数の受講者がノートパソコンに向かい、講師が机のあいだを歩いて手元を確認している研修の様子
AI研修の費用を、先に書きます
当社のAI研修・リスキリング研修の料金です。すべて税込です。
| メニュー | 費用 | 内容 |
|---|
| 社内セミナー(初回) | 無料 | 60分から90分。AIで何ができて何ができないかを、御社の業務に当てはめてお話しします |
| 社内セミナー(2回目以降) | 1万円から/1時間 | 必要な回数だけ。訪問でもオンラインでも構いません |
| リスキリング研修・AIエージェント導入研修(半日) | 22万円 | 対象人数と扱う業務に合わせて内容を組みます |
| 同(1日) | 33万円 | 手を動かす時間を長く取り、持ち帰れる形まで仕上げます |
上記はすべて一例です。ご予算に合わせた組み替えをご提案できます。 人数、扱う業務、訪問かオンラインか、手を動かす時間をどれだけ取るかで内容は変わりますので、まずはお話を伺ってから見積書をお出しします。
金額を先に書いているのには理由があります。初回の社内セミナーが無料なのは、体験版だからではありません。 御社の社員の方がAIをどこまで触っているか、どの業務がいちばん重いのかを見ないままカリキュラムを組むと、必ず的を外すからです。60分話してみて「うちはまだ研修より先にやることがある」という結論になっても、それで構いません。実際、初回のセミナーだけで終わった会社もあります。
順番としては、無料の社内セミナー → 必要なら2回目以降の時間単位 → 手を動かす半日・1日の研修、と段を上がっていただくのが、いちばん失敗が少ない進み方です。研修の中身はAI研修・リスキリングのページに詳しく書いています。
「最大75%」を当社が前面に出さない理由
さて、助成金の話です。
AI研修に国の助成金が使える場合があるのは事実です。制度の名前は人材開発支援助成金で、厚生労働省が所管しています。従業員に職業訓練を行った事業主向けに、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
ただ、当社はこの制度を看板の一番上には置いていません。理由は3つあります。
1つ目。国自身が注意喚起しているからです。 厚生労働省の人材開発支援助成金のページには、お知らせの一番上に近い位置で「『訓練経費』は無料になりません」という注意が掲げられています。あわせて「不正受給した事業主は公表されます」とも書かれています。国が自分の制度の紹介ページにこう書くのは、それだけ割引商品のように扱われているということだと受け取っています。
2つ目。助成の割合や上限額、対象になる要件は、年度と企業規模によって変わります。 記事や広告に書かれた「75%」という数字は、ある年度・ある企業規模・あるコース・ある訓練時間の組み合わせでの上限値です。御社がその条件に当てはまるかどうかは、確認しないと分かりません。当社は、受給を前提にした見積書はお出ししません。
3つ目。助成金が出るかどうかで、研修の中身が良くなるわけではないからです。 助成の対象になりやすい形に寄せていくと、訓練時間を延ばす方向に引っ張られます。時間が長い研修が良い研修だとは、当社は考えていません。半日で1つ動くものを持ち帰るほうが、丸2日聞いて何も残らないより確実です。
工場の窓際で、作業着の経営者がスマートフォンの検索結果を見ながら腕を組んで考え込んでいる様子
人材開発支援助成金とは。7つのコースのどれに近いか
そのうえで、使えるなら使ったほうがいいのは間違いありません。制度の全体像を、国の資料に沿って整理しておきます。
人材開発支援助成金には、7つのコースがあります(厚生労働省のコース一覧より)。
1. 人材育成支援コース
2. 教育訓練休暇等付与コース
3. 人への投資促進コース
4. 事業展開等リスキリング支援コース
5. 建設労働者認定訓練コース
6. 建設労働者技能実習コース
7. 障害者職業能力開発コース
このうち、AI研修の相談で名前が挙がりやすいのは3の「人への投資促進コース」と4の「事業展開等リスキリング支援コース」です。
「人への投資促進コース」は、国の説明ではデジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を対象としています。AIツールを月額で契約して学ぶ形が入り得るのはこのコースです。
「事業展開等リスキリング支援コース」は、新しい分野への事業展開やDXに伴う訓練を想定したコースです。こちらは令和8年4月8日に設備投資加算が新設され、さらに令和8年8月3日から内容が改正されています。
いちばん基本になるのは1の「人材育成支援コース」で、職務に関連した知識・技能を習得させる訓練が対象です。こちらも令和8年4月8日に中高年齢者実習型訓練が新設されています。
つまり、どのコースを使うかは会社の状況と研修の組み方で変わり、しかも毎年のように中身が動いています。 「AI研修だからこのコース」と一対一で決まるものではない、というのが正確な理解です。
2026年に増えた手続き。助成金の申請前に見る3点
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。2026年に入ってから、手続きが増えています。 助成金を当てにするなら、研修の日程を決める前にこの3点を確認してください。
1. 研修を始める前に、計画の届出が必要
人材開発支援助成金は、訓練を計画に沿って実施した場合に助成される制度です。つまり、先に計画を出しておく必要があります。「研修が終わってから領収書を持っていけば戻ってくる」という制度ではありません。
ここを勘違いされたまま日程が固まってしまうと、もう間に合いません。研修の日程を決める前に、まず「使えるかどうか調べる」ところから始めてください。 期限や様式は管轄の労働局が案内していますので、群馬県内の会社であれば群馬労働局にお尋ねいただくのが確実です。
2. 「受講料等の価格設定に関する疎明書」が必要になった
これは比較的新しい話で、ご存じない方が多い項目です。
令和8年5月14日付けの支給要領改正により、訓練計画届の提出時期を問わず、「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出が必要になりました。 対象は、令和8年5月14日時点で支給申請が行われていないもの、および支給申請済みでまだ支給決定・不支給決定がされていないものです(厚生労働省のお知らせより)。
平たく言えば、「その受講料はどうやって決めた金額ですか」を説明する書類が要るようになった、ということです。
当社がAI研修の料金をホームページに公開しているのは、もともと「聞かないと分からない」状態が嫌だったからですが、結果としてこの改正とも相性が良くなりました。半日22万円・1日33万円という定価があり、そこから人数と内容で組み替えるという説明ができる状態は、こういう書類を作るときに強いです。
3. 最新の支給要領を見る。記事や広告の数字ではなく
支給要領は改正されます。2026年9月20日時点で公開されている人材育成支援コースの支給要領は令和8年8月3日版です。詳細版パンフレットも同じ日付のものが最新版として掲げられています。
インターネット上の解説記事には、改正前の数字が残っているものがあります。日付の入っていない「最大75%」「上限30万円」という表記を見かけたら、それがどの年度・どのコース・どの企業規模の数字なのかを確かめてください。 一次情報は下に出典としてまとめました。
事務所のキャビネット前で、事務担当者がクリアファイルの束を抱えて書類を1枚ずつ確認している様子
当社がやること、やらないこと
線引きをはっきり書いておきます。
当社がやること
- 助成金の対象になりそうかどうかの、最初の確認
- 申請に必要な書類のご用意(カリキュラム、見積書、実施記録、受講者名簿など)
- 研修の中身を、要件に合わせて組み立てるところから一緒に考えること
当社がやらないこと
- 申請の代行はしません。 申請は御社、または顧問の社会保険労務士さまにお願いしています
- 受給をお約束することもしません
社会保険労務士のお付き合いがない場合は、ご紹介することもできます。ここを当社が代行してしまうと、御社にとっての窓口が増えるだけで、しかも制度の変更に一番早く気づけるのは社労士さんです。得意な人に任せたほうが確実という、ごく単純な理由です。
こういう会社には、AI研修は向きません
正直に書きます。
1つ目。「とりあえず全社員に受けさせたい」という発想の会社。 人数を増やせば単価は下がりますが、業務が違う人を同じ部屋に入れると、話はどうしても薄まります。実際にお手伝いした群馬県内の金属加工メーカー様では、職人向けと事務向けを対比する形で勉強会を組み、3Dデータ試作のデモまでお見せしました。参加者全員から「使ってみたい」という声をいただけたのは、対象を分けたからだと思っています。
2つ目。「1社の環境に実際にAIを入れて帰ってほしい」という会社。 それは研修ではなく、AIエージェント導入支援(半日10万円・税別)のほうが合っています。研修は「使える人を社内に育てる」ためのもので、こちらは「動くものを1つ置いてくる」ためのものです。目的が違います。
3つ目。助成金が出ないなら研修はやらない、という会社。 これは意地悪で言っているのではありません。助成金は年度で変わり、要件も変わります。制度が動いたときに計画ごと止まってしまうなら、その研修はもともと必要度が低かったということだと思います。逆に「制度が使えたら人数を増やそう」という順番であれば、とても健全です。
なお、そもそも何から手をつけるか決まっていない段階であれば、研修よりも先に無料の簡易業務診断(15分)で、どの業務に月いくら掛かっているのかを数字にすることをお勧めします。研修が本当に一番効く打ち手なのかは、そこで見えます。
工場の外階段に腰かけた作業着の社員2人が、昼休みにスマートフォンを見ながら笑って話している様子
なぜ今、AI研修なのか(統計で見る現在地)
最後に、社内で稟議を通すときに使える数字を置いておきます。帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年3月)によると、
- すでに生成AIを業務で活用している企業は34.5%。およそ3社に1社
- 活用している企業のうち86.7%が「効果が出ている」と回答
- 一方で、約4割の企業が「専門人材・ノウハウ不足」を課題に挙げている
効果が出ることは分かっている。足りないのは、社内に使える人がいないこと。研修という手段が向いているのは、まさにこの状態の会社です。
まとめ
- 当社のAI研修の費用は、社内セミナー初回が無料、2回目以降が1時間1万円から、手を動かす研修が半日22万円・1日33万円(すべて税込)。すべて一例で、ご予算に合わせて組み替えます
- 国の人材開発支援助成金の対象になる場合があります。ただし助成の割合・上限額・要件は年度と企業規模で変わり、受給をお約束するものではありません
- 研修を始める前に計画の届出が必要。日程を決める前に確認を始めてください
- 令和8年5月14日の改正で「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出が必要になりました
- 当社は要件確認と書類のご用意までをお手伝いし、申請の代行はしません(御社または顧問の社労士さまにお願いしています)
「使えるかどうか調べるところから」で構いません。研修の日程が決まる前のほうが、届出の期限に間に合わせやすくなります。
AI研修・リスキリング支援の内容と料金を見る
無料の簡易業務診断(15分)を見る
出典(2026年9月20日時点)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」(コース一覧、お知らせ、主な受給要件、支給要領)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
- 「『訓練経費』は無料になりません」「不正受給した事業主は公表されます」の注意喚起
- 令和8年5月14日付け支給要領改正による「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出
- 人材育成支援コース 支給要領・詳細版パンフレット(令和8年8月3日版)
- 令和8年4月8日改正(人材育成支援コース:中高年齢者実習型訓練の新設/人への投資促進コース:新規採用助成・職務代行助成の追加/事業展開等リスキリング支援コース:設備投資加算の新設)
- 令和8年8月3日改正(事業展開等リスキリング支援コース)
- 申請・お問い合わせ先は都道府県労働局(群馬県内の場合は群馬労働局)
- 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年3月)
制度は改定されます。金額や要件を確認されるときは、必ず上記の一次情報をその時点で開き直してください。この記事の内容は2026年9月20日時点の公開情報に基づくもので、受給を保証するものではありません。
【群馬・北関東の中小企業・ひとり社長のAI導入をサポート】
UMEO CREATE(ウメオクリエイト)では、群馬県(高崎・前橋・太田・伊勢崎・吉岡町など)を中心に、中小企業や個人事業主・ひとり社長様向けの「AI導入・業務自動化・DX伴走コンサルティング」を行っています。
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